こんなにある!床暖房の種類
床暖房には大きくわけて「温水式」と「電気式」の2種類があります。温水式床暖房は、床下に設置されたパイプに温水を循環させる方式です。温水は、石油式やガス式のボイラーなどの熱源によってあたためられます。
蓄熱式床暖房と非蓄熱式床暖房
電気式床暖房は、さらに「蓄熱式」と「非蓄熱式」に分類されます。蓄熱式床暖房は、潜熱蓄熱材やコンクリートの床に直接熱を蓄える方式です。夜間に電力で熱を蓄え、昼間に放熱します。それに対して、非蓄熱式床暖房は使うときだけ通電する方式です。電熱線などのヒーターを用いた電熱線式と、カーボン素子を利用した面状発熱体式があります。
PTCの問題点・デメリット
面状発熱体式の床暖房の中には「PTC(Positive Temperature Coefficient、正温度係数)」と呼ばれる特性を活用した種類があります。PTC特性によって、ヒーターに一定の熱が加わると電気を遮断し、温度を自己制御します。この機能は、カーボンに混練する有機化学系粘着剤の膨張・収縮によって実現されます。その膨張・伸縮の繰りかえしが劣化の原因となり、十分な温度が得られなくなることがあります。
床暖房の優等生「CAT/FHS」
CAT/FHSは面状発熱体式の床暖房です。薄さわずか0.4mmのフィルムヒーターによって床暖房を実現します。温度調整をPTCに頼らず、電気的に制御する方式を採用しているため、長期にわたって安定した発熱量を得ることができます。
代表的な床暖房の比較表
方式 | 設置費用 | 温度制御 | メンテナンス | ランニングコスト | 耐久性 |
---|---|---|---|---|---|
温水式 | 設置面積が広い場合は割安 | こまかい制御は困難 | 定期的に必要 | 熱源が灯油だと安い。ガスは灯油の2.5~3倍 | 鋼管部分は腐食の可能性あり。ボイラーは7~8年で交換が必要 |
蓄熱式 | 高い | 放熱時間帯は制御不能 | 不要 | 夜間電力を使用するため安い | 高い |
電熱線式 | 安い | 可能 | 不要 | 高い | 建物と同等(30年以上) |
PTC | 安い | 可能 | 不要 | 安い | 劣化の可能性あり |
CAT/FHS | 安い | 可能 | 不要 | 安い | 建物と同等(30年以上) |
床暖房のコスト比較
「床暖房のコスト比較」という記事では、いくつかの床暖房製品をピックアップして、導入時にかかる「イニシャルコスト(初期費用)」と、使用時にかかる「ランニングコスト」をさらに詳しく比較しています。ぜひご覧ください。